2024.01.17

#暮らしのこと#食のこと

【Living with Petsのドッグフード開発秘話①】どうして東洋医学の「五行」に行きついたのか?

「最近、愛犬の食いつきが悪い」「愛犬の体調がすぐれない」

そんなとき、「いつまでも元気でいてほしい」と願い、改めて犬の食事について考えるのではないでしょうか?

本当に、犬は毎日カリカリだけで満足している?

通称”カリカリ”は、総合栄養食として市販されているドッグフードです。

規定量を水と一緒に与えていれば、犬の健康を維持できるように栄養価が調整されています。 今も昔も、日本で絶大な信頼を得ており、カリカリだけ与えている愛犬家が多いのです。

そんななか「Living with Pets」では、手作り食に近い冷凍ドッグフードを開発しました。人間でも食べられる17〜18種類の食材を贅沢に使用しています。解凍後は、おいしい香りが漂い、犬の食欲を刺激。健康にも配慮して、東洋医学の「五行」を取り入れた新しいドッグフードです。

古くから根付く「カリカリだけでOK」といった固定概念にとらわれず、新しいドッグフードを開発するに至った経緯や、商品に込められた想いをお聞きしました。

お話をきいたひと

あんどうゆうこ【プロフィール】 ペット栄養管理士・管理栄養士・漢方アドバイザー。 大手食品メーカー・肥満外来でのダイエットサポートを経て独立。現在は、「わんことともに生きる=わんことともに人生を」を理念に、“家族の一員”であるわんこに寄り添ったごはんの内容を提案している。ペットの予防医学を切り開くべく、精力的に活動中。

栗林 広幸【プロフィール】2010年に興和株式会社に入社。入社当時は釣り具の部品を海外に輸出する貿易業務にかかわる。 2016年に株式会社ユーリカの皮膚ケア商品ハーブパックに出会い、この商品を海外に拡げたいという想いからペット関連の商売を開始。2021年よりLiving with Pets立ち上げメンバー。現在に至る。

「カリカリさえ与えていれば安心」と思い込んでいた過去に後悔した日

ヒューマングレード※1な「冷凍ドッグフード」を開発しようと思ったきっかけは何ですか?

本記事では、人間用の製造工場で生産しているグレードを指しています。

商品開発担当・栗林広幸さん(以下:栗林)

きっかけは、私が小学生の頃から13年間を共に過ごした愛犬‟チョコちゃん”の存在です。当時は、犬の食事について「ドライフード(俗にいう、カリカリ)のみ与えていればOK」といった考えが一般的でした。私も、何の疑問もなくカリカリだけを与えてましたし、ときにはご褒美として人間が食べている塩分たっぷりの食べ物を与える日も…。おいしそうに食べるチョコちゃんをみて満足していました。

しかし、私が大学生の頃のある日、腹部にできた腫瘍が原因で、天国に行ってしまった。冷たいカラダを抱きしめながら翌日まで一緒にいたのを今でも覚えています。

私が社会人になり、出張先のアメリカでふと立ち寄ったペット店でのことです。中に入るなり、私は衝撃を受けました。ペットフードをセントラルキッチンで調理し、冷凍販売していたんです。お客さんが原材料や生産工程をじっくり見学できる内装でした。

原材料に何が使われているかが目で見えて「これは、飼い主も安心できる!」と感動したのを覚えています。“冷凍フード”に惹かれたわけではなく、安心感に強く魅力を感じました。

同時に、自分がチョコちゃんに与えていた食事について、疑問を抱き後悔を感じた瞬間だったんです。

いつしか「あの冷凍ペットフードを自分の手で開発したい!」と想いが膨らみ、アクションに移したのがきっかけになりました。

ペット栄養管理士あんどうさんとの出会い

ペット栄養管理士あんどう様とは、どのような経緯で一緒に商品開発をする流れになったのですか?

栗林:開発当初、興和にはペット業界の知見がなかったため、レシピ作りのプロを求めて、ペット栄養管理士の情報を集めていたんです。

リサーチするなかで、ペット栄養管理士だけでなく、人に対する管理栄養士や漢方アドバイザーの資格もお持ちのあんどうさんに目がとまりました。また、あんどうさん自身も毎日同じドッグフード を食べている犬の食生活に疑問を呈していたんです。

「興和が大切にする”セルフケア”の観点とマッチする方だ」と思いました。あんどうさんとなら、毎日の食事が楽しくなるドッグフードの提案ができるのではないかと感じたんです。

あんどう先生は、ペット栄養管理士の立場からどのような点をアドバイスされたのですか?

ペット栄養管理士あんどうゆうこさん(以下あんどう)

「動物も人と同じ形態の食事を与える必要性があること」

「動物にも予防の観点が必要であること」

「製薬メーカーの強みを活かすフード展開はどうか」

以上の3点を提案させていただきました。

そもそも、あんどう先生がドッグフードに漢方を取り入れようと思った理由はなんですか?

あんどう:以前、肥満外来のクリニックに管理栄養士として勤めていた際に、漢方を採用していたんです。健康的に減量するには、食改善と同時に体質の見直しも必要になります。

スタッフの一員として、私に合わせて調合してもらった漢方を飲んでみたら、すごくいい感じだったんです。漢方の力を体感 し、患者様に対して管理栄養士からもよりよいアドバイスができるように、漢方アドバイザーの資格を取りました。

また、クリニックのドクターが愛犬家で、自分のわんこにもフードに漢方を混ぜて与えてたんです。

その光景を目にしたときに「漢方は、自然由来で人間にいいんだから、犬にもきっといいよね」と腹落ちしました。

そもそも、犬は毎日カリカリだけ食べてて不健康ではないの?

「総合栄養食のカリカリと水さえ与えていれば、犬の健康管理は大丈夫」といった一般常識があるなかで、なぜ、「犬にも人間と同じ形態のバラエティ豊かな食事が必要」と考えるようになったのですか?

あんどう:管理栄養士として日々患者様に食事のアドバイスをするなかで、ふと思ったんです。「うちの犬は、毎日同じ食べ物ばかり食べていて飽きないのかな?」と。犬も夏バテで食欲が落ちていたり、私が食べているお菓子を欲しがったりします。たまに、お肉の欠片を与えるとすごく喜ぶんですよ。

愛犬の反応をみていて「別に、人間に限らず、犬もいろんな食べ物を食べた方がきっといいはずだよね 」と思ったのがきっかけです。

栗林さんは、犬がカリカリだけを食べる食生活について、どう思われますか?

栗林:僕は、栄養のプロではないので恐縮ですが、フードローテーションがとても大切だと感じています。 単一の食材だけをずっと食べ続ける食生活は、人間に例えると「毎日シリアルだけずっと食べてればいいの?」って。

人間に置き換えて考えると、毎日同じものを食べ続けるのは…と考えてしまいますよね。

ペット栄養管理士の立場から見た場合、犬はカリカリだけでなく、多種類の食材から栄養補給したほうが望ましいのでしょうか

あんどう:ペット栄養の世界は、まだまだ保守的で「いろんな食材を摂った方がいいよね」と公にオープンに伝えてる感じではないんですよね。「市販の総合栄養食を食べていれば大丈夫」という考えが根強いので。でも、私は犬も人間と同じようにいろいろな食材から栄養補給したほうがよいと考えています。自分が今まで培った栄養の知識を活かして、犬に還元していきたいです。

東洋医学「五行」~薬に頼らないセルフケア~

製薬メーカーとして数多くの知見がある西洋医学ではなく、東洋医学由来の「五行」をドッグフードに取り入れた理由は何でしょうか?

栗林:犬の健康を考えたときに「体調を崩してからの治療じゃ遅い」と思いました。西洋医学だと、どうしても体調を崩したあとの薬に頼る治療になるので…。

あんどうさんから東洋医学由来の五行についてご提案いただいた際に、「犬の体調に合わせてレシピを提案できる点がいいな」と思いました。興和は、‟薬に頼らないセルフケア”の観点も大切にしているんです。病院に行く手前にアプローチできる五行はピンときましたね。

「五行をドッグフードに取り入れるのは、難しそう…」「五行のルールや食材について覚えたり、相関関係についても勉強したりする必要があるのでは?」とハードルが高く感じている人も多いのではないでしょうか?

一見、敷居が高いように感じるかもしれないですね。でも、私は東洋医学「五行」のほうが西洋医学よりも敷居が低いと考えています。正解が限定的な西洋医学に対して、東洋医学は正解がいくつもあるんですよ。

例えば、頭痛の場合を考えてみると…

西洋医学は、”頭痛=頭痛薬”といった考え方で、症状に対処するアプローチ方法が限定的です。一方で、東洋医学「五行」は、 頭痛が起きるあらゆる原因にフォーカスします。疲れや体質、あるいは頭痛が起きやすいとか、原因はさまざまです。だから、”頭痛=○○”といった限定的な考え方ではないんですよね。症状にアプローチする食材の選択肢がいくつもあるんです。

じつは簡単!?「五行」をドッグフードに取り入れるポイントとは?

五行の考えは、自然界に存在する味・色・季節といった要素が「木・火・土・金・水」の5つの要素に分類され、互いに影響し合うとされていますよね。一つの食材が複数の要素に該当するケースもあるのでしょうか?

はい。例えば、鶏肉は五行の「土」と「木」に該当します。

漢方に関しては、同じ漢方を使ったとしても、体質により下痢をしてしまう人もいれば、調子がよくなる人もいるんです。犬もそれぞれの体質があるので愛犬に合った漢方を見つけられると心強いですね。

「五行」をドッグフードに取り入れる簡単なポイントはなんでしょうか?

そもそも五行は、中国の哲学を由来にした考え方です。対象者の生まれた年月により、季節・色といったあらゆる要素が「木・火・土・金・水」の5つの属性のうちどれかに該当します。犬にも五行の考え方は適用されるものの、自分で選択して食べるという行動ができません。そのため、飼い主さんが愛犬のために食材を選ぶ際は、つぎの3つを意識していただきたいです。

まず1つ目は、愛犬の好き嫌いやアレルギーを加味して食材を選ばれるとよいでしょう。愛犬の生まれた年月の属性とは異なる食材やフードを選んだとしても、カラダに害があるわけではありません。

2つ目は、チョコレートや玉ねぎといった犬の禁忌食材を除外しておけば、だいたいの食材は取り入れて頂けます。

3つ目は、旬の食材を取り入れるのがポイントです。五行において、旬の食材は強力なエネルギー源になると考えられています。季節に合った野菜やフルーツを取り入れるとよいでしょう。

すべての食材は、現代社会を生きる犬のために

「田七人参」は、とても高価だと聞きました。コストがかかると思うのですが、なぜLiving with Petsの冷凍ドッグフードすべてに配合したのですか?

正直、田七人参は非常にコストが高いんです。でも、犬の健康維持のために、ぜひ食べて欲しい漢方食材なんですよ。現代はインスタントな食品があふれているので、保存料や着色料といった添加物を含んでいるケースが多い。すると、体内で代謝する際に余計な負担がかかるんです。

タフなカラダづくりには、田七人参は心強い食材なんですよね。Living with Petsの冷凍ドッグフードは、現在メイン食材が異なる5種類の味を楽しめます。どのお味を選んで頂いても漢方の力を感じていただけるよう、コストは度外視で、高価な田七人参をすべての商品に配合していただきました。愛犬の好みに合わせて、ご利用していただけたらと思います。

あんどうさんと栗林さんの「愛犬が生きる喜びを感じられるために」愛情とこだわりがたっぷりつまったLiving with Petsの冷凍ドックフードの開発秘話はまだまだ続きます。

もうひとつのお話は、食材ひとつひとつにまでとことんこだわったお話です。

【Living with Petsのドッグフード開発秘話②】すべての食材にこだわりと想いを込めて