2024.01.25

#暮らしのこと

犬の筋力維持にはリハビリが大切?原因や必要なときのサインを知って健康をサポートしよう!

犬の筋力は、ヒトと同じく老化とともに低下します。体を支えるための筋力が低下すると、最悪の場合、立てなくなり寝たきりの状態になってしまうかもしれません。
老化は生きていくうえで避けられませんが、筋力は定期的な運動で維持できます。ただ、犬の骨格はヒトと異なるため、重点的に鍛えたい部位も変わってくるのです。
愛犬の健康寿命を伸ばしてあげるためにも、筋力低下のサインや原因、リハビリの方法を知っておきましょう。

犬は歳をとると足の筋力が低下する?原因は?

私たちと同じく、犬も老化に伴い足の筋力が低下します。私たち人間の筋肉は60歳前後から徐々に低下していき、85歳以上の筋肉量は20代と比べると20%前後減少します。

1.サプリメントは「薬」ではなく、健康をサポートする「補助食品」

年齢(歳)全身の筋肉量(kg:男性)
平均身長(cm)
全身の筋肉量(kg:女性)
平均身長(cm)
18~2452.5 ± 5.1
171.3 ± 5.6
36.4 ± 3.2
159.2 ± 5.4
25~3452.6 ± 5.7
170.7 ± 5.4
36.4 ± 3.2
158.9 ± 5.4
35~4453.6 ± 5.8
170.9 ± 7.0
36.6 ± 2.8
158.6 ± 5.4
45~5452.7 ± 4.7
169.6 ± 5.5
36.4 ± 3.1
157.2 ± 4.9
55~6450.6 ± 5.5
167.0 ± 6.3
35.2 ± 2.9
153.7 ± 5.3
65~7447.5 ± 4.9
163.6 ± 6.0
33.9 ± 2.7
150.9 ± 5.1
74~8543.9 ± 4.5
163.6 ± 6.0
32.4 ± 2.6
148.2 ± 5.4
85~40.2 ± 3.3
163.6 ± 6.0
30.0 ± 2.6
143.2 ± 5.9

※値の表示は「平均 ± 標準偏差」
参考:「日本人筋肉量の加齢による特徴」/谷本 芳美, 渡辺 美鈴, 河野 令, 広田 千賀, 高崎 恭輔, 河野 公一

https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics/47/1/47_1_52/_pdf/-char/ja

犬の「10歳〜12歳(※小型・中型犬の場合)」は、人間の60歳ぐらいと言われています。10歳なんてまだまだ若い!と思っていても、愛犬の筋力は徐々に低下しているかもしれません。

犬は骨格上「前足」重心になりやすく、「後ろ足」への負荷は前足と比べると小さくなります。若い時は体全体の筋力が高く、特に支障はありませんが、老化とともに筋力が低下すると、日常生活に影響が出てしまうのです。

犬にリハビリは必要?始めるサインは?

愛犬の健康寿命を伸ばすためにも、体全体の筋力を維持するためのリハビリが必要です。リハビリを始める時期を見極めるために、犬が表現する特有のサインやしぐさを見逃してはいけません。

動きが鈍くなったとき

毎日一緒に行っている散歩を嫌がったり、歩くスピードが遅くなったりしている場合、足の筋力が低下しているかもしれません。特に体を支える後ろ足は意識して使わないと、筋力が低下しやすく、思うように歩けなくなります。
歩けないからといってそのまま放置しておくと、立てなくなる恐れもあるため、早めのリハビリが必要です。

普段と姿勢が異なるとき

座った際の足が横に流れていたり、伏せの姿勢で足が真っすぐ伸びていたりする場合も要注意です。いつも通りの姿勢で座ったり伏せたりしたいけど、足の筋力が低下して、思うように動けていない可能性があります。

首の位置が下がってきたとき

普段よりも首の位置が下がっている場合、首まわりの筋力が低下しているかもしれません。
私たちと違い、犬は顔が前に出ているため、頭を支える首まわりの筋肉に負荷がかかりやすくなります。ただ、老化で体全体の筋力が低下すると、首まわりを支える力も弱くなり、首の位置がどんどん下がるのです。
また、他の部位と比べて首まわりの筋肉は、常に負担がかかり硬くなりやすいので、ストレッチやマッサージで筋肉をほぐすリハビリも効果的です。

筋肉の衰え以外の原因があるとき

突然、愛犬が次のような行動を起こした場合は、老化による筋肉量の減少が原因ではなく、病気や疾患などの可能性もあります。そんなときはリハビリを始めるのではなく、動物病院で診察を受けましょう。

<筋肉の衰え以外の原因かもしれない愛犬のサインやしぐさ例>

足に力が入っていない

明らかに歩き方がおかしい

ふらついている

犬のリハビリにはどんな種類がある?

老化に伴う筋力低下を抑えるためには、習慣的なリハビリが大切です。まずは、どんなリハビリがあるか確認してみましょう。

ストレッチ・マッサージ

日常生活の歩き方や就寝時の姿勢に癖があると、骨盤が歪んでしまい、筋力に左右差が生まれたり、関節の可動域が狭くなったりします。筋肉量を維持するには、硬くなった筋肉をほぐして、体を動かしやすくする必要があるのです。
定期的にストレッチやマッサージをすると、血流が良くなり筋肉もほぐれて、関節の可動域が広がります。

運動療法

定期的な運動もリハビリには効果的です。

骨折や神経系の疾患で足が動かせない場合を除き、リハビリは自分の意志で手足を動かそうとして自然に生じる「自発的運動」を中心に実施します。

四肢の筋肉量が増えると、日常生活におけるバランス感覚も良くなり、転倒によるケガ防止にもつながっていくのです。

自発的運動の種類概要
屈伸運動座る、立つ動作を繰り返して、四肢の筋肉を鍛える運動
水中トレッドミル水の浮力を利用して、筋力向上や関節可動域の改善を行う運動
起立維持訓練バランスディスクの上に立ち、一定時間姿勢をキープする運動

参考:帝京科学大学「頸部椎間板ヘルニアの後遺症により自力起立および歩行困難を呈した犬に対するリハビリテーションの効果」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/veterinarynursing/23/2/23_19/_pdf

肥満予防にもつながる

犬種によって基準は異なりますが、健常犬の体脂肪率は15〜24%と言われています。
人間と同様、犬も肥満状態が続くと、健康に悪影響を及ぼすさまざまな体の変化が起こりやすくなるのです。
プールや散歩などの自発的運動を習慣化すると、筋肉量が増えて基礎代謝も上がります。肥満予防のためにも、愛犬の運動習慣をしっかりと管理しましょう。

リハビリで鍛えたい犬の筋肉

犬の健康を保つために必要なリハビリは、トレーニングごとに鍛える部位が異なります。

愛犬に効果的なリハビリ種目を選択するために、特に鍛えるべき筋肉を知っておきましょう。

脚部

脚部は犬の体を支える大切な筋肉。筋力が低下すると「歩く・立つ」など基本的動作ができなくなる恐れもあります。

犬の足は「前足」「後ろ足」に分かれており、それぞれ鍛える筋肉が異なります。

<犬の前足・後ろ足の筋肉で主に鍛えたい箇所>

・前足:三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋など

後ろ足:大腿四頭筋、ハムストリングスなど

犬は前足重心になりがちなので、リハビリでは後部の筋肉を中心に行いましょう。

また、ストレッチやマッサージで筋肉をほぐしながら、リハビリを行う方法も効果的です。

首まわり

犬の頭を支えている首まわりも、リハビリで鍛えたい部位のひとつ。 首まわりの筋肉が硬くなると、首が下がりやすくなって、ご飯を食べづらくなる…など日常生活に支障をきたしてしまうのです。
首まわりは、マッサージで筋肉をほぐしてあげるだけでも改善されやすい部位なので、空いている時間に取り組みやすいでしょう。また、おやつで誘導しつつ、首を上下左右に振らせるトレーニングもおすすめです。

体幹部

腹直筋や広背筋など体幹部の筋肉も、犬の体を支えるために必要な筋肉です。

体幹の筋力が低下すると、体を支える力が弱くなり、ケガや寝たきりの状態につながる原因となります。

バランスボールやバランスディスクといった「体幹を鍛える」アイテムを活用したトレーニングで、部屋での遊びのひとつとして取り入れながら、しっかり鍛えてあげましょう。

若い時から運動習慣をつけておこう

リハビリは、基本的に愛犬から筋力低下のサインが出てから始めます。

ただ、若い時から運動する習慣をつけておけば、歳をとってもリハビリいらずの体を維持しやすく、自分の足でしっかり歩ける未来につながります。
また、愛犬と散歩をしたり走ったりする時間は、飼い主の運動習慣の継続にもつながっていくでしょう。

愛犬とともに、飼い主も健康な体を作るため定期的な運動習慣を身につけましょう。