2023.11.02

#ヘルスケアのこと#豆知識

犬が食べてはいけない「ダメな食べ物」とは?愛犬の健康を守るための飼い主の基礎知識

愛犬に私たちと同じ食べ物をあげたい、ご飯を手作りしてあげたい・・・そんなときに知ってほしいのが、犬が食べてはいけない「ダメな食べ物」です。一部の人間の食べ物は、犬の健康に影響を与える恐れがあり、ときには命に関わる場合もあります。

中毒を起こすものや肝臓に悪い影響を与えるもの、中性脂肪値やコレステロール値に影響するもの、さらにはアレルギーに配慮が必要な場合もあるため、基礎知識を身につけておきましょう。

  1. 犬が食べてはいけない「ダメな食べ物」をご存じですか?
  2. 人間にとっておいしいものでも、犬が避けたい食べ物がある
  3. 意外と知られていない犬のアレルギー・・・配慮が必要な食べ物や症状は?
  4. 犬が人間と同じものを食べたがる・・・かわいいけれど困ったときの対処法
  5. 気をつけていたのに・・・!犬が食べてはいけないものを食べてしまったら?
  6. 大切な家族とずっと一緒に。食べ物の知識は正しく身につけて

犬が食べてはいけない「ダメな食べ物」をご存じですか?

犬に私たちと同じ食べ物をあげる場合は、食べてはいけない「ダメな食べ物」に気をつけなければいけません。犬は自分で食べ物を選べないため、飼い主が慎重に選んであげる必要があります。

中でも注意したいのは、玉ねぎ・ねぎ・ニラ・にんにく・チョコレート・キシリトールです。おう吐や下痢、発熱といった中毒症状を引き起こす恐れがあり、知らずにあげてしまうのはとても怖いもの。

下記の食べてはいけないもの、注意が必要なものを必ず知っておきましょう。

犬が食べてはいけないダメな食べ物

野菜   玉ねぎ・ねぎ・ニラ・にんにく・生のほうれん草

果物   ぶどう・干しぶどう

肉    鶏の骨・レバー・生の肉

魚介   生の魚介類(魚・イカ・タコ・エビ・カニ)・煮干し

卵    生卵(生の卵白)

お菓子  チョコレート・キシリトール入りのガムや菓子

飲み物  コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲み物・ビールやワインなどのアルコールを含む飲み物

その他  香辛料(カレー粉・こしょうなど)・海苔・マカダミアナッツ

上記の食べ物は、家族と同居している場合は全員で把握しておきましょう。

そして人間とまったく同じものをあげるよりは、犬用に調理したものをあげるほうが安心です。たとえば、玉ねぎが入ったハンバーグ。作った人はわかっていても、家族が気づかずに間違えてあげてしまうかもしれません。

調理を別にするようにすると、人間も犬も安心して食事ができるのではないでしょうか。

人間にとっておいしいものでも、犬が避けたい食べ物がある

人間にとっておいしく感じるものを、愛犬にも食べてもらいたい・・・と思うかもしれません。でも愛犬の健康を考えるなら、好ましくない食べ物もあります。

たとえば、脂質や糖質、塩分の多いものばかりをあげるのは待ってください。肥満の原因を作るだけでなく、肝臓の数値や中性脂肪値、コレステロール値などの健康診断の数字を高くしてしまいかねません。

下記の食べ物はなるべく避けるようにしましょう。

あげすぎると健康を損ねる恐れがあるもの

脂質の多い肉類 豚バラ肉・牛バラ肉
糖質や塩分の多い主食食パン、ロールパン、ラーメン          

人間と犬の体の仕組みは違い、また体の大きさの違いもあるため、脂質や糖質、塩分の多い食べ物ばかりをあげるのは、犬にとって好ましくありません。

愛犬のためになる、よい食べ物を選んであげましょう。

愛犬の健康によい食べ物については、こちらで詳しく紹介していますので、ぜひご参照ください。

関連記事:犬の食べ物は何をあげたらよい?愛犬の健康を守りたい飼い主が知りたい食べ物の知識

◆意外と知られていない犬のアレルギー・・・配慮が必要な食べ物や症状は?

私たちと同じように、犬にも食物アレルギーがあるとご存じでしょうか?

食べ物にはアレルゲンといわれる物質が含まれており、免疫反応が過剰に生じて、さまざまな症状を引き起こすのです。代表的な症状 はかゆみや皮膚の赤み。また下痢やおう吐といった症状を起こすケースも…。

どのような食べ物に注意が必要でしょうか。また、アレルギーを疑う愛犬のしぐさは?アレルギーが疑われる場合の検査についても確認しておきましょう。

犬のアレルギーの原因になる食べ物は人間と同じ

原因となる食べ物は犬によって異なりますが、一般的にアレルギーの原因となる報告例の多い食べ物[1] は下記があります。どれも人間の食物アレルギーの原因として、多い食べ物です。

アレルギーがなければ心配のない食べ物ですが、アレルギーを疑う症状があるときは、これらの食べ物が原因になっていないか、チェックしてみましょう。

犬のアレルギーの原因になりやすい食べ物

アレルギー症状を疑う犬のしぐさ

・よく耳や体をかく

・よく手足をなめる

・皮膚に赤みがある

・排便回数が1日3回以上ある

ただし、これらの症状が食物アレルギーによるものなのかどうか、飼い主で自己判断してはいけません。アレルギーでなく他の原因が隠れている場合もあり、自己判断では発見を遅らせてしまいます。

気になる症状がみられたときは、一度動物病院を受診して、相談しましょう。

動物病院を受診したら・・・

獣医師の診察により食物アレルギーが疑われたら、必要に応じて検査が行われる場合があります。

検査の方法はさまざま。検査の一例に、血液検査や除去食試験があります。

血液検査では、どの食べ物にアレルギーを持っているのかを知る手がかりとなります。

除去食試験は、アレルギーが疑われる食べ物を除去した食事を一定期間食べさせ、症状が出ないか確認する検査です。

受診をする際は、愛犬の食事の内容、食事の時間、症状が出た時間、症状の種類をメモしておき持参すると、診察時の参考になります。

犬が人間と同じものを食べたがる・・・かわいいけれど困ったときの対処法

犬の食べ物はさまざまな心配りが必要ですが、人間と同じものを食べたがるときは困ってしまうものです。じっと見つめるかわいさに、ついあげたくなりますが、人間の食べ物は犬にとって塩分が多かったり、肥満になりやすかったり・・・。さらに、あげてもあげても欲しがるように。

どうしても欲しがるなら、人間と犬が食べるものは別のもの、と愛犬に覚えてもらえるように接してみましょう。お互いのストレスもなくなり、犬にとっても人間にとっても、より暮らしやすくなるはずです。

愛犬が人間と同じ食べ物を欲しがる場合の対策例

・欲しがっても反応しない

・犬と人間が同じタイミングで食事をする

・家族全員が同じ対応をする(反応しない・あげない)

・上記を試してみても難しい場合は他の部屋で待ってもらう

気をつけていたのに・・・!犬が食べてはいけないものを食べてしまったら?

「犬が食べてはいけないものをうっかり食べさせてしまった」「気づいたら食べていた…」どんなに気をつけていても「つい、うっかり」な場面があるかもしれません。まずは慌てずに、ゆっくり一呼吸を。対処はまず落ち着いてから迅速に。

先ほどお伝えした「玉ねぎ・ねぎ・ニラ・にんにく・チョコレート・キシリトール」は、おう吐、下痢といった中毒症状を起こす恐れがあり、とくに注意したい食べ物です。気づいたらすぐに動物病院へ相談の電話をしましょう。

すぐに影響が出ない食べ物もあるため、心配な場合、まずは一度病院へ相談がベスト。

自分の判断で吐かせようとするのは、とても危険な行為です。必ず獣医師の指示に従ってくださいね。

大切な家族とずっと一緒に。食べ物の知識は正しく身につけて

大切な家族の一員である愛犬は、ずっと元気に健康でいてほしいもの。食べ物に気を遣う大切さは、人間と同じです。

食べてはいけないものを避けるのはもちろん、愛犬にとってよい食べ物を選ぶのも、飼い主がしてあげられることのひとつです。ぜひ食べ物選びに気を配って、大切な家族との充実した生活を送りましょう。